本作が放つ最大の魅力は、七〇年代ヨーロッパ喜劇特有の解放感と、規律を笑い飛ばす圧倒的なエネルギーにあります。アレクサンダー・グリルらが見せる身体を張ったドタバタ劇の美学は、現代の洗練されたコメディにはない野性的な躍動感に満ちています。色彩豊かな映像美と、観る者の理屈を鮮やかに裏切る演出の数々は、まさに視覚的な宴と言えるでしょう。
厳格な軍隊という枠組みを、ナンセンスな笑いで解体していく様は、自由を謳歌する人間の本能を肯定する痛快なメッセージを孕んでいます。権威への皮肉をユーモアに変換し、多幸感溢れる展開に昇華させる手腕は見事です。スクリーンの隅々から溢れ出す演者たちの情熱に、理屈抜きで身を任せたくなる快作です。