本作が暴き出すのは、欲望と虚無が表裏一体となった現代の神話です。きらびやかなネオンの下で売買される「偽りの愛」が、いかに残酷な救済として機能しているか。カメラは夜の街に漂う狂おしいほどの熱狂と、その裏に潜む圧倒的な孤独を、一切の妥協なく捉えきっています。
愛を演じる側と買う側が互いの傷を舐め合う共依存の連鎖は、観る者の倫理観を激しく揺さぶります。資本主義の極北で「幸福」という概念がどのように解体され、再構築されるのか。その実態を突きつける本作は、あまりに生々しく、そして切ない人間ドラマの極致と言えるでしょう。