永遠の都ローマが放つ魔力が、画面全体から溢れ出しています。本作の真髄は、ドイツ的な理性とイタリア的な情熱が激しく衝突し、やがて心地よく溶け合う瞬間の鮮烈なスパイスにあります。光り輝く街並みを背景に、混沌とした日常を鮮やかに肯定する演出は、観る者の心を一瞬でイタリアの夏へと連れ去ってくれるでしょう。
主演陣が体現する、予定調和を崩された先の解放感は見事です。計画通りにいかない人生こそが豊かであるという力強いメッセージは、現代人の心に深く響きます。未知の文化に身を委ね、新たな自分を発見する喜びを、全編に漂う多幸感とともに噛み締めてほしい珠玉のエンターテインメントです。