本作の魅力は、ハリウッドの光に潜む「死」と「狂気」を剥き出しの質感で捉えた映像美にあります。未解決事件をモチーフに、執着の深淵へ引きずり込む手腕は見事。クリステン・カーが見せる、現実と虚構の境界で揺れ動く繊細な演技が、作品に底知れぬ説得力を与えています。
映像表現は前衛的で、まるで悪夢を覗き込むような没入感をもたらします。芸術と狂気が紙一重であること、過去の悲劇が現代の魂を侵食する様を美しくも残酷に描き出しています。鑑賞後も脳裏に焼き付いて離れない、挑発的でダークな映像体験を求める者にこそ相応しい傑作です。