ジョージ・フォルンビーの無垢なエネルギーこそが本作の核心です。彼の代名詞であるバンジョー・ウクレレの音色と、名曲に象徴される楽観主義は、単なる娯楽を超えて観る者の心に灯をともします。不器用な小市民が愛嬌で困難を突破していく姿には、時代を超越した人間の逞しさが宿っています。
計算された喜劇と音楽が見事に融合し、騒々しさの中に静かな叙情性を生み出している点も白眉です。幸せは物質的な豊かさではなく、愛する人と奏でる心の調和にあるという普遍的なメッセージが、フォルンビーの笑顔と共に鮮烈に刻まれます。純粋な幸福感に浸らせてくれる、まさに極上の音楽喜劇といえるでしょう。