この作品の真髄は、昭和という時代の裏側に色濃く残る、飛田遊廓という閉ざされた迷宮の情景を、単なる風俗描写に留めず、女たちの生への渇望として描き切った点にあります。頽廃と哀切が混じり合う画面構成は、鑑賞者の視線を釘付けにする凄みがあり、消えゆく赤線地帯の残り香を、これ以上ないほど雄弁に物語っています。
星真里子と片桐夕子が魅せる、泥中に咲く花のような強さと脆さは圧巻です。絶望の淵にありながらも互いを支え合う彼女たちの眼差しには、言葉を超えた連帯と尊厳が宿っています。単なる娯楽作の枠を超え、制度に翻弄される個人の孤独と、それを突き抜けていく生命力の煌めきを鮮烈に刻みつけた、映像詩としての魅力に満ちた傑作です。