本作は、日活ロマンポルノ黄金期が誇る艶やかな江戸情緒と、人間の尽きせぬ欲望を軽妙洒脱に描き出した至高の風俗喜劇です。小川節子が放つ圧倒的な色香とケーシー高峰の洒脱なリズムが絶妙に溶け合い、単なる成人映画の枠を超えた「粋」の美学を提示しています。画面から溢れ出す江戸の熱気は、観る者の生命力を激しく刺激して止みません。
官能を卑俗なものではなく、生を謳歌するためのエネルギーとして捉える視線には、大人の余裕と深い洞察が宿っています。比喩的なモチーフを大胆に用いた映像演出は、人間の本能を全肯定する力強さに満ちており、映像芸術としての豊穣さを今なお失っていません。理屈抜きで心と体を揺さぶる、情熱的な傑作です。