ブラジルの都市が抱える混沌を、音楽と熱量を孕んだカメラワークで昇華させた逸品です。偶然の連鎖が織りなす危ういバランスと、魂のリズムが呼応し、観る者の心拍数を跳ね上げます。社会の分断を冷徹に見つめつつ、そこにある生きるための逞しさを鮮烈な色彩で描き出す演出は、まさに圧巻の一言に尽きます。
名優マリリア・ペーラの圧倒的な存在感は、若手キャストの剥き出しの生命力と見事な化学反応を起こしています。不条理な運命に翻弄されながらも、現実を「神の望むままに」と受け入れ、なおも踊り続ける人々の姿は、強烈な生の肯定を突きつけます。格差を超えて魂の叫びが共鳴する、エネルギーに満ちた傑作です。