桃井かおりと渡瀬恒彦という、稀代の個性がぶつかり合う化学反応こそが本作の真骨頂です。二人の危うくも愛おしい掛け合いは、単なるコメディの枠を超え、人間臭い生々しさと優しさを刻んでいます。嵐寛寿郎の重厚な存在感も、ロードムービーとしての情緒を一層引き立てます。
血縁を超えた絆の在り方を問う本作は、不条理な現実に翻弄される大人たちが愛に目覚める姿を鮮烈に描き出します。旅路の果てに見えるのは、不器用な人々が織りなす究極のヒューマニズムです。映画という媒体が持つ本質的な熱量を、ぜひ心ゆくまで体感してください。