本作の魅力は、バリー・ソネンフェルド監督特有のシュールな毒気と、多種多様な登場人物が織りなす群像劇の妙にあります。一見無関係なエピソードがドミノ倒しのように繋がり、予測不能な狂騒曲へと昇華される演出は圧巻。豪華キャストによる絶妙な掛け合いが、スリリングな展開の中に心地よいリズムを生んでいます。
デイヴ・バリーの原作を、映像特有の速度感と視覚的ギャグで再構築した手腕も見事です。活字では表現しきれない「間」が不条理を笑いへ転換させるのは、正に映像メディアの強み。災難さえも愛嬌として描き出す、現代社会への痛快な皮肉が詰まった傑作です。