本作は、法が機能しない荒野を舞台に、人間の執念と因果応報を冷徹に描き出した異色の西部劇です。単なる復讐劇に留まらず、権力に固執する者の末路と、一度死んだ男が正義を貫くために抱く狂気が交錯する重厚な人間ドラマとしての深みが、観る者の魂を強く揺さぶります。
ブルース・ダーンが魅せる狡猾な悪役の凄みと、マイケル・アイアンサイドの無骨な存在感は圧巻の一言。二人の実力派俳優がぶつかり合う張り詰めた空気感こそが、本作最大の白眉と言えるでしょう。暴力の連鎖がもたらす虚無感を見事に映像化した、ジャンルの枠を超えた隠れた傑作です。