密林の湿気と重苦しい沈黙が、人間の精神をじわじわと蝕んでいく。本作の真髄は、極限状態に置かれた人間が抱く執着と、そこから生じる逃れられない破滅への予感を、緻密な心理描写で描き出した点にあります。文明から隔絶された場所で道徳が崩壊していく様をスリラーとして昇華させた演出は、観る者の肺を圧迫するような緊張感を絶え間なく提供し続けます。
何より特筆すべきは、ジャネット・マクティアを筆頭とする名優たちの凄まじい熱量です。オリンピア・デュカキスらとの火花を散らす演技合戦は、言葉以上の恐怖と人間の業を浮き彫りにします。視覚的な美しさと対極にある内面的な歪みが交差する瞬間、その冷徹なまでの洞察眼は、観客の魂に鋭い爪痕を残すことでしょう。