ジャン=クロード・ヴァン・ダムが自堕落な刑事の悲哀を演じきった本作は、魂の再生を描く重厚なドラマです。死の淵から生還した男が、過ちと対峙し這い上がる姿は観る者の胸を激しく締め付けます。アクションの枠を超え、凄まじい贖罪を冷徹なリアリズムで切り取った彼の「静」の演技こそが、本作最大の見どころです。
映像の陰鬱なトーンは、絶望から昇る希望を際立たせています。暴力の果てに真の強さを問いかける演出は秀逸で、主人公の眼差しに宿る決意は言葉以上に雄弁です。どん底から不屈の精神で立ち上がる人間の美しさをこれほど無骨に描いた傑作は他にありません。ヴァン・ダムの新たな境地に魂が震える、情熱的な一作です。