古典怪談を現代的な感性で再構築した本作は、単なる恐怖を超えた「妖美」な視覚体験が圧巻です。暗闇に浮かび上がる牡丹灯籠の赤と、出演陣が放つ艶やかさが絶妙に混ざり合い、観る者を耽美な世界へと誘います。死してなお愛に執着する情念の激しさが、美しくも残酷な映像美によって鋭く研ぎ澄まされています。
主演の桜井まりが見せる、儚さと狂気が同居した熱演は、言葉以上に愛の深淵を物語ります。終わりゆく関係への「さよなら」が、単なる訣別ではなく、永遠に呪縛される快楽として描かれる点に本作の醍醐味があります。生と死の境界で揺れ動く人間の脆さを突きつける、官能的で切ない傑作です。