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本作が放つ最大の魅力は、性自認という繊細なテーマを、銀河の果てを望むような詩的な視座で捉え直した点にあります。親子の絆を単なる情愛の物語に留めず、各々が抱える孤独を宇宙の星々に重ね合わせることで、個の本質がどこにあるのかを静かに問いかけます。揺れ動く多感な感性と、自己を貫こうとする痛切なまでの覚悟が、観る者の魂を激しく揺さぶるのです。 特にデニス・メルシエの圧倒的な演技力は特筆すべきで、性別の境界線を超えた先に残る、一人の人間としての気高さを体現しています。視線の交錯や沈黙の使い方が絶妙で、言葉にならない葛藤が映像の端々から溢れ出しています。既存の価値観が崩れ去る瞬間の美しさをこれほど残酷に、かつ慈悲深く描き出した作品は他に類を見ないでしょう。
監督: Paule Baillargeon
脚本: Monique Proulx
音楽: Yves Laferrière
制作: Pierre Gendron / Jean-Roch Marcotte
撮影監督: Eric Cayla
制作会社: ONF | NFB