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本作が放つ唯一無二の魅力は、西欧的なデフォルメを排した硬派で叙情的な映像美にあります。自然界の冷徹な掟と生命の躍動を、ソ連アニメ特有の鋭利な線と流麗な動きで描く演出は圧巻です。特にバギーラが体現する、死を予感させるほどの静かな気品と強さは、本作を単なる子供向け作品から崇高な叙事詩へと昇華させています。 ラドヤード・キプリングの原作が持つ「ジャングルの掟」という重厚なテーマを、映像ならではの直感的なリズムで見事に表現しています。原作の哲学を損なうことなく、種の境界線で葛藤する魂の成長痛を、色彩のうねりと野生の鼓動を通じて突きつける。文字では表現し得ない、生命の荘厳さを五感に訴えかける傑作と言えるでしょう。
監督: Роман Давыдов
脚本: ラドヤード・キップリング
制作会社: Soyuzmultfilm