レオ・ゴーシーとハンツ・ホールの絶妙なコンビネーションが、本作を単なるドタバタ喜劇以上の高みへと押し上げています。下町育ちの威勢の良さと、上流階級の気取った世界観が衝突する際に生まれる火花こそが、この作品の真骨頂です。特にゴーシーの巧みな言葉遊びと、ホールの唯一無二のコメディセンスが、階級社会への痛快な風刺として機能している点は見逃せません。
演出面では、流れるようなテンポ感と計算し尽くされたリアクションの応酬が、観る者を一瞬たりとも飽きさせません。エリート主義を笑い飛ばす彼らのエネルギーは、現代の観客にも爽快な解放感を与えてくれます。洗練された舞台装置を逆手に取り、人間の本質的な滑稽さと愛らしさを描き出した、コメディ映画の真髄がここに凝縮されています。