体制崩壊後の動乱を舞台に、道徳の空白地帯で生きる男たちの悲哀を冷徹に描き出した傑作です。主演ボグスワフ・リンダの冷酷さと孤独が同居した佇まいは圧巻の一言。時代の転換期に漂う圧倒的な虚無感と、崩れゆく正義の中で足掻く人間の本質を、アクションという器で見事に抉り出しています。
情容赦のない演出は、観客を逃げ場のない緊張感へと引き込みます。世界が瓦解する中で、男たちが最後に貫くのは己の矜持か、あるいは絶望か。政治的激動を超えて「個の在り方」を問いかける本作の熱量は、今なお色褪せない強烈な輝きを放ち、観る者の魂に深い爪痕を残すはずです。