この作品は、閉塞した日常から逸脱しようとする魂の咆哮を描いた、剥き出しのロードムービーです。アンナ・タルバッハとマリア・シュラーダーという対照的な二人の女優が、焦燥感と衝動をスクリーンに焼き付けるかのような凄まじい熱量で演じきっており、彼女たちの共鳴が単なる犯罪劇を超えた強烈な生命の輝きを放っています。
疾走するカメラワークと、絶望の先にある自由を希求する乾いた演出は、観る者の心に深い爪痕を残します。社会の枠組みから零れ落ちた者たちが、一瞬の情熱にすべてを賭ける姿は、残酷でありながらもこの上なく美しい。現状に抗い、自己を解放しようとする人間の根源的なエネルギーが、全編を通して激しく脈打っている傑作です。