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松本俊夫が放つ本作は、映像という名の狂気が結晶化した実験映画の金字塔です。赤外線フィルムを用いた不気味な色彩と、般若の面を被った人物へ向かって執拗に繰り返されるコマ撮りのズーム。その過剰な視覚的リズムは、見る者の平衡感覚を奪い、網膜に直接焼き付くような強烈な体験をもたらします。 静止画の連続が生命の躍動へと変貌する過程で、私たちは「自我」という概念が崩壊し、宇宙的な広がりへと溶けていく感覚に陥るでしょう。言葉による説明を一切排し、光と影の衝突だけで人間の深淵を描き出そうとするこの作品は、まさに映像でしか到達し得ない精神的浄化の極致といえます。
監督: 松本俊夫
音楽: 一柳慧
撮影監督: 山崎博 / 高間賢治
制作会社: Matsumoto Production