デイヴィッド・ハモンドが捉えた本作は、記録の枠を超えた詩的な叙事詩です。北アイルランドの厳しい情勢下、路地裏で跳ね回る子供たちの姿は、残酷な現実と強烈な対比を描き出し、観る者の胸を打ちます。彼らが口ずさむ伝承歌の調べが、荒廃した景色の中に生命の輝きを灯す瞬間は、正に映像芸術の真髄といえるでしょう。
本作が描くのは、過酷な環境でも絶えない人間の精神性です。子供たちの遊びに宿るリズムは、時代を超えた普遍的な美しさを放っています。絶望の影で青い野花のように咲き誇る無垢な魂。その力強い鼓動を慈愛に満ちたカメラで見事に切り取っており、鑑賞後は静かな感動と深い余韻がいつまでも止まりません。