本作が放つ最大の魅力は、静止画を繋ぎ合わせたような独特の質感がもたらす、生理的な嫌悪感と美しさが同居する異様な映像世界にあります。アニメーションという手法を使いながら、実写では到達不可能なグロテスクの極致を描き出しており、観る者の網膜にべっとりと張り付くような毒々しい色彩設計は圧巻の一言に尽きます。
佐野史郎氏をはじめとする実力派キャストの怪演が、手法の枠を超えて物語に底知れぬ狂気と哀愁を与えています。肉体の崩壊と精神の変容を冷徹に見つめる視線は、単なる恐怖を超え、生と死の境界に揺れる人間の業を浮き彫りにします。観賞後、私たちの倫理観を根底から揺さぶるような、呪術的な魔力を秘めた傑作です。