リチャード・ヘリングが十年にわたる自身のキャリアを凝縮させた本作は、単なる総集編の枠を超えた、一人の表現者の壮絶な生の記録です。過去の自分と対峙し、かつてのネタに今の魂を吹き込むその姿には、時の流れと共に研ぎ澄まされた職人技と、コメディに対する狂気的なまでの情熱が漲っています。
見どころは、知的なウィットと過激な毒が渾然一体となった唯一無二の語り口です。自虐を交えつつも観客を翻弄し続ける圧倒的なエネルギーは、映像越しでも肌を刺すような緊張感を伴って響きます。笑いの裏側に潜む人生の滑稽さを、肉体一つで描き出すヘリングの覚悟に、観る者は魂を揺さぶられるに違いありません。