本作が放つ熱量は、異なる魂を持つ二つのバンドが衝突し合う刹那の化学反応にあります。理名、夕莉、朱李らが役を超えた剥き出しの情熱を楽器に叩きつける姿は、観る者の防衛本能を突き破るほどの引力を持っています。重厚な旋律と剥き出しの感情が混ざり合い、文字通り「浄化」へと導くカタルシスは、音楽作品としての究極の到達点です。
特筆すべきは、メディアミックスという原作の枠組みを超えた映像の肉体性です。アニメーションという原典に宿る精神性を引き継ぎつつ、演者の汗や表情といった実写でしか捉えられない「生の証明」が、虚構を真実へと昇華させています。二次元では到達し得ない圧倒的な音圧と実在感の融合こそが、本作が観客に贈る最大の衝撃と言えるでしょう。