八十年代後半の空気感を象徴する瑞々しい感性が、児島未散と比企理恵の弾けるような演技を通して見事に昇華されています。単なる青春コメディの枠に収まらない、十代特有の焦燥感と期待が混ざり合う一瞬の輝きを、カメラが執拗なまでに美しく捉えている点が本作の最大の魅力と言えるでしょう。
卒業という人生の節目を前に「自分とは何者か」を問い直す葛藤は、滑稽ながらも切なく、観る者の胸を激しく焦がします。軽妙な掛け合いの裏側に潜む、自立への決意と友情の深まりを丁寧に描き切った演出は、時代を超えて普遍的なメッセージを放っています。大人への階段を上る瞬間にしか放てない熱量を、ぜひ全身で浴びてください。