ケン・メイナードの圧倒的な身体能力と、愛馬との息の合った躍動感こそが本作の真髄です。単なる勧善懲悪を超え、自らスタントの限界に挑むメイナードの情熱が、モノクロ映像から溢れ出さんばかりの熱量で伝わってきます。銀幕を縦横無尽に駆け巡るその姿は、観る者の本能的な興奮を呼び覚まし、正義の執行というテーマに比類なき説得力を与えています。
また、身分を隠して悪に立ち向かう変装の美学や、緊迫感の中に漂うユーモアのバランスが絶妙です。フランク・ライスの名脇役ぶりも光り、荒野の孤独な戦いの中に人間味豊かな厚みをもたらしています。古き良き西部の精神を体現しつつ、純粋に「動く映像」としての快楽を追求し尽くした、まさに活劇の原点にして至高の一本と言えるでしょう。