ロンドンの下町を象徴するデル・ボーイとロドニーという愛すべき兄弟が、舞台をマイアミへ移すことで生まれる「究極の場違い感」こそが本作の白眉です。デヴィッド・ジェイソンの緩急自在な熱演と、ニコラス・リンドハーストの絶妙な受けの芝居は、単なるコメディの枠を超えた至高の人間ドラマを形成しており、彼らの阿吽の呼吸には職人芸的な美しさすら漂っています。
豪華なロケーションとサスペンスフルな演出が、お馴染みの軽妙な掛け合いと見事に融合し、シリーズ屈指のダイナミズムを実現しています。どれほど身の丈に合わない無謀な夢を追いかけても、その根底にあるのは決して揺らぐことのない家族の絆です。彼らが体現する不屈の楽天主義は、泥臭くも気高い「生きる力」を提示し、観る者の心に強烈な多幸感と明日への活力を与えてくれます。