本作の真骨頂は、主演ゴヴィンダが放つ圧倒的な喜劇的エネルギーと、計算し尽くされた極上の間合いにあります。デヴィッド・ダワン監督との黄金タッグが魅せるドタバタ劇は、理屈抜きで観る者を至福の笑いへと誘い、インド商業映画が持つ底抜けの明るさとパワーを全身で体感させてくれます。
さらに特筆すべきは、爆笑の影に潜む自己犠牲と家族愛の美学です。偽りの関係から始まる展開の中で、愛する者のために奔走する主人公の純粋な献身が、観る者の心を温かく震わせます。ウミルマ・マトンドカールの華やかな存在感も相まって、笑いと涙、そして人間賛歌が見事に融合した、エンターテインメントの粋を極めた一作です。