フランスが抱える巨大な矛盾を、冷徹かつ情熱的な視点で切り取った本作は、ドキュメンタリーの枠を超えた社会派の秀作です。厳格な規制と欧州屈指の消費量という相反する現実が織りなすパラドックスの深淵に迫る構成は見事で、観る者の倫理観を激しく揺さぶります。
映像は、法と欲望の境界で喘ぐ人々の肉声を圧倒的なリアリティで描き出します。イデオロギーの対立を越え、社会が目を背けてきた偽善をさらす演出は圧巻です。この歪な構造の先に何があるのか。思考を停止させない鋭いメッセージ性は、私たちの価値観を根本から再構築させる力に満ちています。