あらすじ
三重県伊勢市河崎にあるゲストハウス「とこわか」。看板娘である高校2年生の西川夏美は母・しのぶ(大塚寧々)と一緒にゲストハウスを切り盛りしていた。
作品考察・見どころ
マイク・フラナガン監督が描く本作の真髄は、過去と現在が交錯する迷宮のような演出にあります。緻密な編集は観客の認識を狂わせ、現実と鏡が見せる幻影の境界を鮮やかに消失させます。カレン・ギランの知性と狂気が同居する熱演は、逃げ場のない閉塞感を極限まで高めており、単なる驚かしに留まらない、理性を侵食する恐怖の深淵を見事に体現しています。
本作は過去のトラウマに抗う人間の足掻きを映した残酷な寓話です。理論で悪霊に挑む理性が、鏡の絶対的な悪意で崩壊していく過程には、抗いようのない運命の皮肉が宿っています。記憶さえも信じられなくなる絶望の果てに、真実の脆さを突きつける、ホラー映画史に残る傑作といえるでしょう。