“会ってみたいんだ、本当の君に。”
ある日突然の事故に見舞われ、母サユリを亡くした少年・岩本サトル。彼はそのショックからリハビリを拒否し、車椅子で生活している。また事故以前から部屋に引きこもり、不登校を続けていた。
HINOKIOは、ロボットという無機質な媒体を通すことで、皮肉にも人間の温もりや触れ合うことの尊さを鮮烈に描き出した傑作です。代理ロボットを介して世界と繋がり直す少年の姿は、デジタル化が進む現代において「身体性」がいかに魂の救いになるかを鋭く問いかけます。叙情的な映像美が、孤独と再生の物語を痛切なまでに美しく彩っています。 若き日の本郷奏多が放つ繊細な透明感と、多部未華子の躍動感あふれる輝きが、物語に圧倒的な実在感を与えています。仮想と現実の境界が溶け合う瞬間の情感は、観る者の心に深い余韻を残すでしょう。単なるSFに留まらない、誰の心にもある痛みを優しく包み込むような眼差し。今こそ再評価されるべき、魂の交流を描いた瑞々しい感動作です。
監督: 秋山貴彦
脚本: Masumi Suetanii / 米村正二
制作会社: H-Partners / Hinokio Film Venturer