本作はショウ・ブラザーズ黄金期を象徴する、張徹監督の美学が凝縮された傑作です。最大の魅力は、鄭佩佩の凛とした気品と羅烈の野性味がぶつかり合う、静と動の鮮烈な対比にあります。飛刀という一瞬の隙も許されない技を軸にした演出は、武道家の意地を芸術的な映像美へと昇華させています。
物語の根底には、侠客が背負う過酷な宿命と人間ドラマの深みが流れています。監督特有の激しいアクションが孤独や誠実さを際立たせ、観る者の胸を熱く焦がします。洗練された構図と俳優陣の熱演が、一振りの刃に込められた覚悟を克明に描き出した、武侠映画の真髄と言える一作です。