本作が突きつけるのは、権力に取り憑かれた人間の剥き出しの熱量です。主役のニコラ・サルコジが放つ野心とカリスマ性を、カメラは執拗に追い続けます。政治の記録を超え、頂点へ駆け上がる瞬間の呼吸や焦燥を克明に刻んだ映像は、観る者の心拍数を跳ね上げるほどの緊迫感に満ちています。
ドキュメンタリーという手法がこれほど残酷かつ美しく機能した例は稀でしょう。編集の速度は彼の政治手法を象徴し、スクリーンからは時代を動かすエネルギーが溢れます。権力掌握の裏に潜む孤独と高揚をリアリズムで描き切った本作は、政治という舞台で繰り広げられる究極の人間ドラマです。