“金も女も貰った!野望に生きる不敵の面魂!!”
異色作家・白崎秀雄の傑作小説「肉の僕」の映画化。 橋本忍が脚色し、野村芳太郎が監督したもので、冷い打算に生きる男の行動と破滅を描く問題野心作。佐田啓二が珍しく悪党を演じている。
野村芳太郎監督の鋭利な演出が、極限状態にある人間の深淵をあぶり出す心理ドラマの傑作です。主演の佐田啓二が見せる、抑制された演技に潜む哀愁は圧巻。宮口精二ら実力派との緊張感あふれるアンサンブルが、全編に渡って張り詰めた空気を作り出しています。 画面から漂うのは、運命に翻弄される者たちの乾いた詩情です。光と影のコントラストが勝負師の孤独を鮮烈に際立たせ、観る者の胸を貫きます。一瞬の判断が生死を分かつ緊迫感の中で、人間の尊厳を問うドラマの力強さに、最後まで圧倒されることでしょう。
監督: 野村芳太郎
脚本: 橋本忍
音楽: 芥川也寸志
制作: Ichinosuke Hozumi
撮影監督: 川又昂
制作会社: Shochiku Studio