今作の真髄は、最強と呼ばれた二人の眩い青春と、そこから生じる決定的な亀裂を、生身の俳優が演じるという残酷なまでの実在感にあります。三浦涼介と藤田玲が見せる魂の衝突は、声の震えや一瞬の沈黙さえも、観客の心に直接呪いのような熱量で突き刺します。
原作の行間に漂う喪失感を、演劇という刹那の芸術で見事に昇華した点も特筆すべきです。二次元では想像に委ねられた微細な感情の機微が、舞台ならではの光と影の演出で浮き彫りになり、かつての最強が選んだ孤独な道が、より生々しく、救いようのない切実さを伴って響き渡ります。