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本作の真髄は、七十年代の日活ロマンポルノが放つ特有の危うさと、叙情的な映像美が同居している点にあります。曾根中生監督による鋭い演出は、単なる官能の枠を超え、閉塞感漂う時代の空気と人間の内面に潜む狂気を見事に炙り出しています。画面から溢れ出る荒々しくも美しい色彩感覚が、観る者の本能を鮮烈に揺さぶるのです。 三路美紀をはじめとするキャスト陣の演技は、剥き出しの情動を体現しており、その脆さと力強さが作品に深い精神性を与えています。欲望の果てに何があるのかという根源的な問いを突きつける本作は、視覚的な刺激の裏側に、社会の歪みや孤独という普遍的なテーマを内包した、極めて純度の高い人間ドラマとして語り継がれるべき逸品です。
監督: Hideo Sano
制作会社: Shishi Production / Toei Central Film