ヴィクトル・プライスをはじめとする名優たちが織りなす洗練されたアンサンブルこそ、本作の真骨頂です。死後の世界を重々しい哲学ではなく、軽妙なユーモアで描き出す演出は圧巻で、彼らの機微に富んだ演技が、死への恐怖を慈しみへと昇華させています。舞台演劇のような密度の濃い対話から溢れ出す人間味は、観る者の心を温かく解きほぐすでしょう。
本作が描くのは、永遠という時間の中でさえ失われない人間の愛らしさです。不条理な設定を肯定し、今を生きる喜びを再発見させるメッセージ性は、喜劇という枠を超えた深い感動を呼び起こします。映像表現によって可視化された「死後の日常」は、終わりの先にある希望を情熱的に語りかけ、人生という旅路を愛するための新たな視座を授けてくれるのです。