本作の魅力は、日活ロマンポルノの至宝・飛鳥裕子の艶やかな存在感と、官能の中に漂う祝祭的な開放感にあります。小島三児らのコミカルな掛け合いが、情動的なシーンを軽やかな娯楽へと見事に昇華させており、観る者を日常から切り離す旅情豊かな演出が、単なる成人映画の枠を超えた輝きを放っています。
原作の持ち味である「私」という一人称の語り口を、映画は躍動感あふれる視覚表現で見事に翻訳しました。文字による内面描写を、飛鳥裕子の瑞々しい肉体美と情感豊かな演技へと置き換えることで、女性の主体的な欲望をより鮮烈に肯定しています。五感を直接的に刺激する「体験型の官能」という、映像メディアならではの強みを最大限に引き出した傑作です。