この作品の真髄は、荒唐無稽なSF的ギミックを徹底したコメディ精神で描き切る、その突き抜けた娯楽性にあります。主演のニコル・シェリダンをはじめとするキャスト陣は、ナンセンスな設定に臆することなく、類まれな華やかさとユーモアを画面に吹き込んでいます。彼女たちの堂々とした立ち振る舞いとコメディエンヌとしての才能が、単なる艶笑譚を超えた、生命力あふれる活劇としての魅力を作品に与えているのです。
演出面では、かつてのB級映画へのオマージュを感じさせるキッチュな映像美が、観る者を不思議な高揚感へと誘います。欲望を視覚化するという大胆なテーマを扱いながらも、根底には人間の本能的な滑稽さを肯定するような、明るくおおらかな精神が流れています。理屈抜きで楽しませようとする純粋なエンターテインメントとしてのエネルギーが、観る者の感性を鮮やかに刺激してやまない一作です。