一九七〇年代初頭の純粋な熱量を封じ込めた本作は、銀世界を舞台にした青春のきらめきを視覚と聴覚で堪能させる逸品です。竹脇無我の端正な佇まいと香山美子の可憐さが、当時のフォークブームと見事に共鳴し、単なる恋愛映画を超えた「時代の肖像」として成立しています。雪原を滑走するダイナミズムは、映画でしか描き得ない開放感に満ちており、観る者の心を一気に冬の山嶺へと誘います。
劇中を彩る音楽は、登場人物の内面を代弁する情熱的なメッセージとして響きます。若者が抱く理想と葛藤、そしてそれを突き抜ける清々しさが、フォークの旋律に乗せて繊細に綴られています。今なお色褪せない瑞々しい演技は、忘却しがちな純粋な恋心を再燃させてくれるでしょう。映像が持つ多幸感と切なさが同居する、まさに銀幕でこそ味わうべき至高の青春群像劇です。