本作の魅力は、言語の壁を「誤訳」という名のユーモアで突破する圧倒的な独創性にあります。名曲をフランス語へ逐語訳するというナンセンスな試みが、映像の魔法によって洗練された音楽的コメディへと昇華されています。リズムに乗せた言葉の違和感が観客の既成概念を心地よく揺さぶり、音楽の新たな側面を照らし出す演出は、まさに圧巻の一言に尽きます。
サリハ・バラら実力派キャスト陣による、計算し尽くされた身体表現と爆発的なエネルギーは必見です。映像ならではの緻密な構図がアンサンブルの調和を浮き彫りにし、空間全体に広がる熱狂を見事にパッケージングしています。音楽への深い敬意と情熱が全編に溢れており、観る者に至高の解放感と幸福感をもたらしてくれる、五感を刺激する傑作です。