森繁久彌、加東大介、小林桂樹という黄金トリオが織りなす、アンサンブルこそが本作の魂です。社長の放蕩、専務の追従、秘書の冷静なツッコミ。計算し尽くされた三者の呼吸はもはや伝統芸能の域に達しており、観る者を理屈抜きで高揚させる、圧倒的な喜劇の様式美がここに結実しています。
タイトルが示す通り、激動の時代を生き抜くリーダーの矜持と人間愛を深く掘り下げています。建前と本音の間で揺れながらも、最後には人を信じて前進する。そんな、現代社会が忘れかけているバイタリティと大人の余裕に満ちた処世術が、鮮やかな演出と共に熱く胸に迫る傑作です。