あらすじ
ある日、黒ブタの馬車に乗った黒づくめの少年“ルパ”がラムの前に現れる。彼は曾祖父さん同志が決めたラムの許嫁だと名乗り、ラムに指輪をはめさせる。その瞬間、ラムの特殊能力はなくなり、彼女はルパにさらわれてしまう。ラムが連れていかれた先は、闇の宇宙。そこではラムとルパの結婚式の準備が進められていた。あたるはラムを救出するために闇の宇宙へ向かうが、ルパの巧みな妨害工作によってラムとケンカしてしまい、結局彼女を置いて地球に戻ってしまう。
作品考察・見どころ
本作は、数年に及ぶ長い鬼ごっこの終止符を、これ以上ない純度で描き切った傑作です。最大の魅力は、諸星あたるという男の「矜持」とラムの「執念」がぶつかり合う凄絶な愛のドラマにあります。古川登志夫と平野文の魂を削るような熱演が、単なるドタバタ喜劇を超え、言葉にできない感情の機微を震えるような緊迫感で表現しており、観る者の心を激しく揺さぶります。
原作最終章の精神を完璧に継承しつつ、映像ならではの光と影の演出、そして疾走感あふれる作画が、運命の鬼ごっこを壮大な叙事詩へと昇華させました。原作の持つ「究極の日常への回帰」というメッセージを、アニメ特有のダイナミズムで補完した本作は、メディアの違いを超えて互いの魅力を引き立て合った、まさにシリーズの集大成と呼ぶに相応しい輝きを放っています。