あらすじ
友引町にメルヘンランドという遊園地がオープンした。そこのアトラクションのひとつ、大マジックショーを見に行ったあたるは、魔術師ルウに魔法をかけられピンクのカバにされてしまう。なんとかしてあたるを助けようとするラムだったが、今度はラムが罠にはめられてメルヘンランドのミラーハウスに閉じこめられてしまう。だが、一連の事件は実はラムのほうに原因があった。ラムが生まれたときに彼女にかけられた呪いが今ごろになって効きだしたのだ。
作品考察・見どころ
本作が持つ本質的な魅力は、ドタバタ喜劇の裏側に潜む「運命」という残酷で甘美なテーマを、圧倒的な映像美で描き切った点にあります。シリーズ特有の賑やかさとは対照的に、ラムとあたるの絆という原点に真っ向から向き合い、愛することの痛みと尊さを浮き彫りにしました。淡い色彩設計と幻想的な演出が、日常が崩れ去る瞬間の儚さを鮮烈に際立たせています。
特に古川登志夫と平野文による魂の共演は見逃せません。普段は本心を見せないあたるが、喪失の危機に直面して剥き出しにする情熱は、観る者の胸を激しく揺さぶります。単なる娯楽作の枠を超え、一つの純愛映画として完成された本作は、時を止めてでも守りたい大切な存在がいるすべての人へ贈る、至高のラブロマンスです。