本作の真髄は、安寿ミラが体現する洗練された色香と、森奈みはるが放つ神秘的な可憐さが織りなす、至高のケミストリーにあります。女神が降臨するという非日常を、クルト・ワイルの洒脱な旋律に乗せて描く演出は、観る者を一瞬にして魔法のような陶酔感へと誘います。
ブロードウェイの原作を宝塚という唯一無二のフィルターに通すことで、作品はより耽美な光を放ちます。映像の向こうから伝わる、愛華みれを含む演者たちの細やかな表情の機微。それは舞台の熱狂を閉じ込めつつ、究極の美の概念を鮮烈に定着させた、芳醇な芸術作品と言えるでしょう。