河野勇作は売れないロック歌手。そんな折、友人の今野優作から、自分の代わりに高校の代理教師になってほしいと頼まれる。勇作は借金の取り立てから逃げられることもあり、名前を“今野優作”と偽って、赴任先の天橋立高校に向かうのだが…。
本作の核心は、叫びにも似た剥き出しの熱量にあります。桐谷健太が体現する、不器用ながらも迷いのない大人の魂が、閉塞感を抱えた若者たちの心に火を灯す過程は、単なる青春劇を超えた魂の共鳴を描き出しています。画面越しに伝わる泥臭いまでの情熱は、観る者の胸の奥に眠る「何かを変えたい」という切実な渇望を激しく揺さぶります。 若き日の菅田将暉が放つ瑞々しくも鋭利な輝きと、音楽を通じて世界と繋がろうとする衝動は、映像作品ならではの躍動感に満ちています。音を重ねるたびに彼らの境界線が溶け合い、一つの大きなうねりとなっていく演出は、言葉にできない感情を歌に乗せる尊さを再認識させてくれます。今この瞬間を全力で鳴らす、その一回性の美しさに心奪われる必見の一本です。
監督: 木村弥寿彦
脚本: 小林弘利
制作: 木村弥寿彦
制作会社: Kansai Television