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森繁久彌という稀代の喜劇役者が放つ、圧倒的な「喋り」の芸こそが本作の心臓部です。立て板に水のごとく溢れ出す言葉の奔流は、戦後を逞しく生き抜く日本人のバイタリティを見事に体現しています。森繁の軽妙かつ重厚な演技が、観る者を理屈抜きの高揚感へと誘います。 津島恵子の気品と高島忠夫の瑞々しさが、森繁の熱量を巧みに中和し、洗練されたアンサンブルを奏でます。言葉を武器に世を渡る姿は、対話が持つ魔法のような力を教えてくれます。笑いの奥底に人間への深い洞察が光る、日本喜劇の至宝とも呼べる一作です。
監督: 青柳信雄
脚本: 中野実 / 川内康範 / Jumei Eirai
音楽: 松井八郎
制作: Yoshiteru Yamazaki
撮影監督: 遠藤精一
制作会社: TOHO / Tokyo Eiga