あらすじ
消えた拳銃、知らぬ間に殺人犯にされた兄…無実を信じて血涙の捜査を続ける婦人警察官の妹の活躍…
作品考察・見どころ
戦後日本の混沌とした熱気を背景に、鈴木英夫監督の冴え渡る知的な演出が光る傑作です。黒澤作品で見せる硬派な面影を封印し、軽妙かつ人間味溢れる演技で新境地を開拓した藤田進の存在感は圧巻の一言。関千恵子の瑞々しいエネルギーと共鳴し、変わりゆく時代の息吹を銀幕に見事に定着させています。
監視と自由、そして愛の矛盾を突く物語の鋭い批評性こそが本作の真髄です。パトロールという秩序の象徴が、奔放な生命力に翻弄される様は滑稽でありながらも、人間の本質を突く重厚なメッセージ性を放っています。閉塞感を打破しようとする力強い演出は、今なお色褪せないモダンな輝きを放ち、観る者の心を激しく揺さぶります。