本作の白眉は、円谷英二が手掛けた特撮技術の粋を集めた圧倒的な臨場感です。大海原を舞台に繰り広げられる艦隊の勇姿と、凄まじい爆発が彩る戦闘シーンは、当時の最高技術が結集したからこそ到達できた本物の迫力。単なるスペクタクルに留まらず、鋼鉄の巨艦が波間を駆ける姿には、滅びの美学すら漂っています。
三船敏郎ら名優たちが体現する、極限状態での葛藤と矜持も深く胸を打ちます。勝利の熱狂から敗北の深淵へと転ずる中で、個人の意志を飲み込む戦争の虚しさと、運命に立ち向かう人間の尊厳が鋭く描写されています。映像美と人間ドラマが高度に融合した、魂を揺さぶる不朽の傑作です。