ボブ・ホープの類稀なるコメディセンスが、国際連合という厳格な舞台を鮮やかなドラマへと変容させています。冷戦下の政治的対立を、一人の赤ん坊という純粋な象徴を通して軽妙に風刺する手腕は見事です。国家間のプライドが交錯する中で、理屈を超えた慈愛が人々の心を解きほぐしていくプロセスには、今なお色褪せない普遍的な温かみが宿っています。
ミシェル・メルシェら国際色豊かなキャストが放つ魅力は、文化の壁を越えた共生への希望を謳い上げます。洗練された会話劇の端々に、皮肉を交えつつも人類愛という真摯なメッセージが込められており、人間の善性を信じたくなるような極上のエンターテインメントです。